僕らはSNSでモノを買う

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本書は、主にマーケティングの初心者や経験の浅い経営者、個人事業主の方々向けに、自分が売りたいモノやサービスを売るためにSNSをどう活用するべきかを解説した本です。

UGCがたくさん発生するコンテンツを作り、検索ではなく”口コミ”でユーザーに広めてもらう。

飯髙悠太著、「僕らはSNSでモノを買う」をさっそく読んでみましょう。

SNSでモノが売れるか?

著者の答えはYesです。

ただし、それはSNSで直接注文をとってモノをダイレクトに販売するというだけの意味ではありません。モノを売るプロセスとして、SNSが間接的に影響していることを含めた意味です。

SNS時代のユーザー行動について分析し、どのような情報発信をすれば、それが購買につながっていくのか(本書p.5)

ユーザーの行動を読み解き、どういったシナリオで購買につなげていくかを考えます。

でも、SNSを活用して売上が爆発的にアップした、といった成功例はあまり多くは聞かない。

それはなぜか?

・ユーザーはどんなときに、SNSでモノを買おうとするのか

・ユーザーはどんな情報から、購買の判断をするのか

という、ユーザー行動を踏まえた情報発信ができていない(本書p.27)

と分析します。

SNSを活用することは正しい、でも問題はその活用の仕方にある。

誰でも簡単にできるというものではない。これはつまり、工夫すれば他者と差別化できる大きなチャンスとなり得ます。

UGCとは?

その活用の仕方で、キーになるのはUGC(User Generated Contents)です。

UGCとは、「ユーザーが作ったコンテンツ(本書P.42)」。コンテンツを作って情報を発信する企業担当者や個人事業主ではなく、そのコンテンツを見た人(すなわちユーザー)が投稿するコンテンツです。

つまり「口コミ」ですね。具体例は、本書p.43に挙げられています。

そして、SNSの「口コミ」は、拡散のしくみによって、よくある口コミサイトのレビュー以上の効力を持ちます。

Twitterのリツィートがこの仕組みのよい例で、単にサイトへの書き込みをGoogle検索で見つけるという情報の伝わり方ではなく、拡散によりフォロワーに伝播していくという情報の伝わり方を指しています。

なぜUGCが重要か?

これからの時代、競争が激しいという意味で、SEO対策やリスティング広告だけでは不十分で、それ以外の方法で顧客にアプローチすることが必要です。

世界に130兆ページ(P.32)もあるこの情報爆発時代、届けたい情報があってもなかなか人には届きません。

情報の99%が届かない(p.33)とさえいわれています。

このような環境のなか、どうやって届けたい情報を読んでほしい人たちに届けるか?

筆者は、「家族や友人、知人の言葉はユーザーにちゃんと届く(P.40)」と答えます。

そこで、UGCです。ユーザー、つまり情報を読んだ人が作ったコンテンツで、そのコンテンツを口コミとして広げてくれることで、情報を読んでほしい人に届くようにするというものです。

最初に読むユーザーは、企業や個人事業主が発信する情報を読みますが、UGCを作ってくれれば、そのユーザーの近しい人(家族、友人、またネット上でつながっている人たちを含む)に口コミで大勢の人に広がる。これを狙っているわけです。

口コミとして読んだ人からみると、近しい人の口コミなので, 情報の信頼性が高いとみられます。

そして、このような広がり方においては、指名検索が増え、コンバージョン率が高くなることも期待されます。
             

どれほど情報が届きにくい時代になったとしても、家族や友人、知人の言葉は、ユーザーにちゃんと届く(本書P.40)

企業の広告ではなく、第三者の口コミなら、買おう、行こうという気になりますね。

SNSによるアクセス数の増加は一過性か?

ここは私自身も誤解していた点です。

例えばツイッターでバズを起こしたら、瞬間的にアクセス数は増えるけれど、それは一過性のものに過ぎない、従ってGoogle検索でしっかり上位を狙って、検索からの流入によるアクセスを確保すべき、という話です。

確かに、SNSでバズを起こしてアクセスを増やし続けるのはむずかしいし、ちょっとバズが起こったとしてもすぐに元にもどることが多いです。

ですが、UGCでアテンションを増やすアプローチは、ただ一過性のバズを狙っているだけではありません。

口コミの伝播によってUGCがどんどん発生し、指名検索につながるように知名度があがっていくことを狙っています。

こう考えると、なにもバズ狙いの企画を次々生み出す必要はなく、UGCを積み重ねるという手段が大事ということになります。

そういった意味でも、UGCを活用したSNSマーケティングにもっとも向いているのは、ツイッターということになります。

リツイートによる拡散が、UGCを軸に捉えたSNSマーケティングと相性がよいのです。


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