岩瀬大輔著、「入社一年目の教科書」について書きます。
新入社員だけではなく、会社に入社して何年も経つ方、あるいはフリーランスの方、どの立場の方にもそれぞれに役立つヒントあると思います。
「何をやるか」ではなく「誰とやるか」(本書P.70)
何をやるかを重視しすぎて、考え方や性格がまったく合わない人と組んで仕事をするのは、やはり気力も体力も消耗してしまいます。
得るものがあればよいですが、結局はうまくいかないことの方が多いでしょう。
もちろん、会社に務めていると、一緒に仕事をする人を自由に決めることはなかなかできませんが、チャンスがあったら、やりたいことにこだわっていろいろなことを犠牲にするよりも、この点を優先した行動をとりたいと私は思います。
気の合う人と馴れ合うだけでは?と言われるかもしれませんが、それはちょっと違う。
それを上回る成果が出せればいいのです。
単純作業にも目的を意識し、付加価値を付ける (本書P.30)
単純作業というと、組織の中で新入社員に押し付けられるものの典型例と考えられがちです。
実際、上司の立場にある人は、解決すべき課題をタスクレベルに落とし込んだあと、新入社員にも任せられそうな単純作業を割り振ることが多いでしょう。
ただ、このとき、その仕事を受けた側の行動は、現場でも人によってはっきりわかれます。
単純作業を、文字通り「単純な作業」として理解し、手だけを動かし、誰がやっても結果が同じになるようなレベルで処理してしまう人。
そうではなく、一見単純に見えるその作業から自分なりの価値や表現を付加して、他人よりも高いレベルで処理できる人。
外からは見えなくても、その作業を通して自分の中にスキルを蓄積していける人。
工夫すること、自分なりの付加価値をつけられること、といったポイントは確かにあるものです。
自分なりの捉え方、考え方を持って要求された仕事に当ることができるか、ということでしょうか。
50点で構わないから早く出せ (本書P.5)
これは現場でもよく聞く話です。
仕事にある程度慣れてきた中堅クラスの社員でも、100点満点の成果物を出そうとがんばるあまり、必要以上の時間を費やしてしまう。
そうではなく、50点、60点でいいから早く成果物を出し、上司や管理者に見せて指摘をもらいながらブラッシュアップする方がよいというとです。
理由はなぜか?
それは自分の考える100点の方向と要求されている方向との間にずれがあることがよくあるからです。
これに気づかず、締め切りぎりぎりまで誰にも共有せずに取り組み、自分が100点と考えたところでやっと提出したとしても、このような認識のずれがあれば、それまで費やした時間が無駄になってしまいます。
多くの仕事は、自分以外の人との関わりのなかで進め、成果を出すものですから、一般的には自分一人の尺度だけで考えてもうまくいかないものです。
あまりレベルが低い状態で出すわけにはいかず、これもバランスを考えなければなりませんが、効率よく仕事が進められるタイミングで関係する人と共有する必要があるでしょう。